主観的空想日記

適当に書いてます。

海がきこえる

海がきこえる

  1995年放送

  監督 望月智充

 

とある男子学生杜埼拓は、高知の高校から東京の大学に進学した。東京での大学生活を送るなか、同窓会の便りが届く。その後、同窓会のために帰省する道中で、高校時代のこと・武藤里伽子のことを回想する。

海がきこえるを観ると、とても懐かしい気持ちになるらしい。「私の学生時代・青春を思い出す、懐かしい」結構な人がそう言っている。自分も観ていて確かに、と感じた。だがこれは違うのではないか、とも感じた。

この作品で描かれる高校生活やら青春というものは、なんだか特別な感じがする。誰もいない教室に屋上。ハワイのホテルと都内のホテルの一室。夕日が見える海辺や真夜中の商店街。そして何といっても劇中の時間の流れ。自分はこんなにキラキラした空間・時間で過ごしていない。

もっと青春というものは、しょうもない時間と空間にあったはずだ。自分の過去は美しいものではなかったし、自分という存在は特別ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

キャバレー

「キャバレー」

 1976年公開

 監督 ボブ・フォッシー

 

1931年のベルリンが舞台である。スターになりたいアメリカ人の女(ライザ・ミネリ)と、列車でベルリンにやって来た男子学生(マイケル・コーク)が出会う。ナチスが台頭する混沌とした街で、2人がくっつき離れていくまでを描いている。

ナチスが台頭~」なんて書いているが、別に全てが暗いということではないのだ。ライザ・ミネリとマイケル・コークはとっても楽しそうだし、キャバレー内のシーンはハレンチでエネルギッシュでとっても陽気だ。ユダヤ人の男女は幸せそうに結婚している。この映画は、血生臭く・暴力的・お先真っ暗で悲観的だが、同じくらい楽天的である。

とりわけ楽天的なものは、ライザ・ミネリの微笑む横顔である。素敵な横顔は、劇中数回観れる機会がある。それは歌って踊るミュージカルの場面ではなく、誰かとハグをする時である。ハグの瞬間、ライザ・ミネリの目鼻立ちした、けばい化粧で塗りたくった横顔が、底抜けて明るい微笑みを浮かべた横顔になるのだ。この顔を観ていると、暗い世相や心配事なんて忘れてしまいそうである。

そんな顔が真っ暗ななかに輝いている。素敵な映画である。

 

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

  2016年公開

  監督 ギャレス・エドワーズ    

 

 自分はスターウォーズにあまり思い入れがない。4・5・6の世代じゃないし、1・2・3は映画館で観ていないからだ。(7は映画館で観て、それなりに楽しんだ。) だから、「これはスター・ウォーズじゃない!」、「これこそスターウォーズだな!」なんて言うほどの熱い感想ではないので、そこんとこよろしく。

 この映画はかなり評判がいい。「1・2・3よりスター・ウォーズやっている」なんて声をよく聞く。たしかに、終盤はすごく熱い展開だったし、 ダース・ベーダーがかっこよかった。なんだかすごい爆発もいっぱいしてた。楽しいところは満載だ。

まあ、自分はそこまでいいとは感じなかった。物足りないと言ったほうがいいかもしれない。 この映画は3・4の間を埋めるために作られた、ファンの妄想・願望が具現化されたようなものである。だから観ていて楽しいと思う。予想できる範囲でドタバタするから。スター・ウォーズっぽいスター・ウォーズ

自分はそこで物足りなさを感じる。「スター・デストロイヤーがこんな角度から!」みたいな驚きじゃなくて、もっとこうスター・ウォーズの世界から飛び出すような驚きが欲しかった。(閉じた世界でドタバタも、別に悪いとは思わない)そういう意味じゃ7の方が優れている。いつものことを反復しながら、新しいものを見せてくれた。というわけで、ローグ・ワンにそこまではまれなかった。

あと主人公の顔があんまり好きじゃない。ファンはスター・ウォーズに、あんな顔が出ても何とも思わないの?